TOEIC(R)Testで900点を短期間で突破するための意外な方法
1章.断言!TOEIC(R)Test900点は、誰でも突破できる!
「終わった!しかも、時間が5分も余っている!」
私が、初めてTOEIC(R)Testで900点を突破した時のテストでは、試験終了時刻5分前に全てのリーディングセクションの解答を終えました。明らかにそれまでとは違う手応えがあり、各設問に十分な時間と注意を払って、じっくりと全問を解き終えて、なお、時間が余ったのでした。今までに感じたこともない正解に対する自信と、しっかりと集中力を使ったという心地よい疲労の中で、私は大きく背伸びをして、しばし感慨にふけりました。
ここまでの道のりが決して平坦なものではなかったからです。 それまでの私は、700点半ばで、1年近く、スコアが伸び悩んでいました。 そのため、問題集に費やした金額も半端ではなく、本棚には、多くの「TOEIC(R)Test対策問題集&参考書」が蔵書として並んでいるほどでした。 毎回、テストが近づいてくるたびに、"習慣"のように本屋へ出かけ、目を引く効果が出そうなキャッチフレーズのついた参考書なり問題集を2~3冊購入するのが常になっていました。
これを試験ごとに繰り返していくと自然に本棚はTOEIC(R)Test対策関連本で埋まっていったのです。 TOEIC(R)Testテストというのは、だいたい2ヶ月周期で実施されるので、1回受けて、一ヵ月後にその結果を受け取ると、次のテストまではもう残り一ヶ月を切っているのです。
そうなると、
「残り一ヶ月で何ができるだろう?」
ってあせってしまい、結局、"腰を据えて"じっくりと自分の能力や失点の原因を探ることもできないままに、ただただ、参考書購入に走りまわる以外には、策もないわけです。 そして、結果はといえば、いつも、同じ辺りを行ったり来たり、というところです。
そんな私は、
「このままではいけない、なんとかしなくては」
と、連続して受けてきたTOEIC(R)Testテストの受験をしばらく中断して、一度、じっくりと自己分析をしてみて、そのうえで、正しい対策を見極め、腰を据えて、それに臨むことにしたのです。
その取り組みが功を奏して、それから半年後に受験したTOEIC(R)Testで、ついに私は伸び悩みの壁を突破することに成功しました。目標だった900点を越えて、930点も取れたのです。 今、現在、私は、小さな英会話スクールを経営しながら、教室で、または、インターネット上で、当時の私のように"伸び悩み"に苦しむ受講生に、この時の経験に基づいたレッスンやアドバイスを与えています。 そして、本当に多くの方が、TOEIC(R)Testテストに有効な対策に出会えずに、苦労したり、挫折したりしているのを目の当たりにしてきました。 でも、本当に有効な対策というのは、実は、意外にもシンプルな取り組みだったんですね。
そのことに気づいた人は、ウチのスクールでも、確実に、着実に、スコアを伸ばしていくことができています。もうこれまでに何人もの人が900点を超えることに成功してきました。 また、その取り組みは、新形式のテストの構成では、さらに効果が発揮しやすいこともわかってきました。 これから、その意外な取り組みをご紹介していきましょう。
2章.市販の参考書や問題集では、スコアアップできない根本的な理由!
あなたもひょっとして、TOEIC(R)Test受験の1~2ヶ月前に、書店で問題集や参考書を仕入れているのではありませんか?
そして、それは、TOEIC(R)Test○○○点突破のための「リスニング」とか「リーディング」とか「文法」などのセクション別の対策を講じたものではないでしょうか?
書店には本当に多くのTOEIC(R)Test問題集や参考書が並んでいますね。 そのどれもが、過去の出題傾向を分析し、より出題頻度の高い問題や英語知識を吟味し、厳選してあるようなことが強調されています。 中身を開いて、よく見てみると、なるほど、わかりやすく、効果的に要点をまとめた魅力的な構成にもなっています。
値段も、まあ、1000円台の中盤程度の値段のものが多く、これなら、数冊買ったところで、それほど自分の懐にも打撃にならないと思うので、ついつい気前良く、2~3冊買ってしまっていませんか?
私は、買っていました。 ただ、問題集って一度やってしまうと、もう使用価値が無いような気分になりませんか? そのため、結局、TOEIC(R)Testを受ける度に、新しいのを数冊ずつ買い換えるのが習慣になってしまったんですね。
それで果たして効果はどうだったのでしょう? 私の場合は、あまり、ありませんでした。
今でも、当時に買った多くのTOEIC(R)Test問題集や参考書が私の本棚にはぎっしりと飾られていますが、一冊単位だとたいして高くないと思っていたこれらの書籍も、総数で見てみると、これは案外ばかになっていないですよね。
まあ、使ったお金はさておき、それにしても、どうして、これらの対策問題集で私はスコアを伸ばすことができなかったのだろうと考えてみました。 私が購入した一冊、一冊は、どれも、内容的には、優れているものばかりであったと思うし、実際にテストを受けてみるたびに、なるほど、よく傾向をつかんでいるなと感心させられるものも多くありました。
しかし、残念ながら、スコアアップには結びつかなかったんですね。 そこで、私は、自分の中の何が原因で失点が多いのか、試験中の状況を思い浮かべることから始めてみました。すると、ある1つの問題点が浮かんできたのです。
それは、「時間が足りない」ということでした。
テストでは、いつも、時間配分を決めて、猛スピードで解答していくように心がけていたのですが、それでも、試験が終わりに近づいてくると決まって、「やばい急がなきゃ」と思い、リーディングの後半の問題は、時間に追われて、適当に解答してしまう状況に陥っていることに気づきました。
とりあえず、試験時間内で、なんとか、全ての問題への解答は終えるのですが、実態は、時間に追い立てられまくって、長文問題の何割かと、文法・語彙問題での何問かは、「もう少しじっくり考えられれば解けるのに」と感じながらも、適当に解答してしまうことになってしまっていたのです。
この時間不足や、そのために生じる「防ぐことのできたミス」というものは、各セクション毎に個別に対策を講じられた市販の問題集参考書のたぐいでは、解消することはできなかったんですね。
なぜなら、それらの市販の教材は、各セクション別、または、問題別に、個々に、詳しく、解説や解法の技術が説明されているのであって、TOEIC(R)Test問題全体を解く時に起こる「時間不足」に対しての根本的な解決にはならなかったからです。
そこで、私は、それまでの試験前になって行う「参考書・問題集収集」の習慣を完全に断つことにし、新たな戦略を考えることにしました。 これまで時間に追い立てられて、「持てる実力をまともに発揮し切れていなかった」ことが失点の原因であった可能性が高いのなら、その状況を改善するためのベストの方法を考えればいいのでは、と気づきました。
そこで、私が注目したものは、TOEIC(R)Testの英文を瞬間的に理解していく「スピード」だったのです。